「華厳の会」代表 近持篤と、女優 杉田かおるさんとの対談が「躍進企業応援マガジン COMPANY TANK 2018年11月号」で紹介されました。
子どもたちと高齢者を守る仕組みづくりで
地域から日本全体の活性化を目指す事業家
静岡県浜松市を拠点に、幅広い社会福祉事業を展開する(株)A’s Bee。近持社長は社会貢献への思いを強く抱き、自らの活動を“事業”ではなく“使命”と位置付ける。そんな社長が目指す理想の社会とビジョンについて、女優の杉田かおるさんが迫った。
残りの半生を誰かのために
杉田 近持社長は50代にして独立され、新たに事業を開始されたそうですね。同年代を生きる者として、今日はお話を伺うのを楽しみにしていました。
近持 ありがとうございます。私はもともと、大阪で精肉店を営む家に生まれ育ち、学業を終えた後は自らも経営に携わっていました。しかし、大黒柱だった父が60代半ばで亡くなってしまい・・・私1人での事業継続は困難と判断し、店を閉めることにしたんです。
杉田 今のお仕事とは全く違う世界に身を置かれていたのですね。では、そこからどのような経緯で浜松にいらっしゃったのですか?
近持 知人が浜松の歯科医院で働いていて、そこがちょうど事務長を募集しているということで、私を推薦してくれたんです。もちろん、畑違いの事務職へ転身する難しさはありましたが、意志さえあれば、あらゆる壁は乗り越えられるもの。とにかく自分にできることは何かを考えて、経験と実績を積んでいきました。そして、4年ほど働いた後に、今でも連携している内科医院に移籍したんです。
杉田 自らの意志を原動力に一から学んでこられたと。独立のタイミングは、どのように訪れたのでしょう。
近持 勤める中でサービス付高齢者住宅の立ち上げなど重要な事業も任され、しっかりと黒字化させてきた実績を評価して頂き、「独立したらどうか」と院から打診されまして。私自身、50歳を過ぎて残りの半生を社会貢献のために使いたいと思っていたので、成すべきことをやろうと起業を決意した次第です。
先進的な「地域の見守り役」として
杉田 現在は、どのような事業を手掛けていらっしゃるのですか?
近持 1つは、これまでに培ってきたノウハウを生かした事務長代行業です。主に医療・介護機関様と顧問契約を結び、人材育成やクレーム対応、新規事業立ち上げといった経営サポートを行わせて頂きます。もう1つは、前職の内科医院と連携して、病児・病後児保育が可能な保育園「みつばち保育園」を立ち上げ、その運営を行っています。通常、保育園内で園児が体調を崩した場合、親御さんに連絡してお迎えに来て頂かなければなりませんが、当園は親御さんの確認・了承を得た上で、園の職員が園医のところへ受診に連れて行き、その後は病児保育室で回復させることができるんです。
杉田 それはすごい!子どもたちを預かることからさらに一歩進んで、健康面まで責任を持って見てくださるのですね。
近持 これにより、親御さんは仕事に負担を掛けることなく、安心してお子さんを預けられるようになります。また、浜松市は待機児童の数が全国でもワーストに近いため、その改善にも一役買えるのではないかと思っているんです。
杉田 仕事が手に付かない状態では大切な家族のことも支えられませんから、安心して子どもを任せられる場所があるのは心強いです。私自身、長年にわたって母の介護をしてきたので、その重要性がよく分かります。
近持 おっしゃる通りで、高齢者の介護についても同じことが言えますから、この度新しく高齢者支援事業「華厳の会」を立ち上げました。こちらは日本初となる自費での生活支援サービスで、定期的な安否確認訪問や、お食事の支度、洗濯、掃除といった家事全般、お買い物や通院への同伴など、従来の介護保険の適用範囲では行うことのできない支援をしております。また、事業の一環として共同墓地を建設し、利用者様がお亡くなりになった後の葬送・納骨までこちらでサポートするのです。
杉田 生涯にわたってサポートしてくださるということですね。身寄りのない高齢者の方も多いでしょうし、トータルでお力添え頂けるのは頼もしいです。
近持 さらに、現在はデジタルデバイスを使って利用者様とご家族、当会の支援スタッフ、かかりつけ医などをつなぐインターネットケアシステムの整備にも力を入れています。常に連絡が取り合えるネットワークが構築されていれば、緊急時にも迅速に医師の判断・指示を仰げますし、医療機関としても多くの患者さんを在宅のまま診療できるようになるはず。私は、この取り組みによって地域の包括支援の形を根本的に変えたいと思っているんです。
一億総活躍社会の一端を担う
杉田 お話を伺っていても社長の高い志を感じますし、それだけでなく具体的な実現のビジョンもお持ちですから、今後の展開がますます楽しみです。
近持 大げさに聞こえるかもしれませんが、私は本気で世の中を変えたいという思いで日々活動しています。それはもう事業ではなく、“使命”と呼べるものなのかもしれません。ですから、会社としても利益だけを追求するのではなく、とにかく社会に貢献するために成長していきたい。そして、私自身も人間性を高め、常に仲間に恵まれるような経営者でありたいと思っているのです。
また、高齢者支援事業に関しては、まずは浜松でパッケージ化した上で、次に東海地方、そして全国へと広めていければと考えています。事業拡大に合わせて雇用も促進し、一億総活躍社会の一端を担うことができれば幸いです。
GUEST COMMENT
杉田 かおる(女優)
「常に仲間と行動するような、経営者らしくない経営者になりたい」と語っていらっしゃった近持社長。その純粋さと、飾らず自然体で目の前のことに打ち込んでいらっしゃるからこそ、多くの人に慕われるのでしょうね。世の中を変えるという壮大な目標も、社長なら必ず達成されるはず。地域社会がより元気で明るくなる未来を、私も楽しみにしています!
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